書く、という行為を実現する“ペン”。
私達は子供の頃からペンに親しみ、使っていく中で、ペンについての常識を作り上げていきました。
例えば「シャープペンの芯は折れる」などなど。
私達にとっては“当たり前”の事実です。しかし、こうした“当たり前”を壊して、新たな価値を提供するペンがあるのです。今回は、『第28回【国際】文具・紙製品展 ISOT2016(イソット)』に展示されていた、おすすめペンを紹介します。ペンの限界に挑戦し続ける文具メーカーの奮闘をご覧ください。
日本文具大賞優秀賞を受賞!定規とペンをセットにした「Pen in Ruler」
まずご紹介するのは、今年2016年の日本文具大賞で、優秀賞(デザイン部門)を受賞した「Pen in Ruler」です。
真っすぐな線を書きたいときに限って、ペンケースの中に定規が入っていない。そんな経験をしたことはありませんか。「定規とボールペンは一緒に使うもの、ならばセットにしてしまえ」という、ありがちな課題を大胆な発想で解決したのが、この1品。“アイディアを逃がさない”というコンセプトのもと、その場で思いついたらすぐに書き留められるように、持ち運びやすさも追求されています。
ペンの端のローレット加工や、マットな質感など、細部にこだわった非常に美しいデザインも目を引きます。IDカードなどを首にかけている人は、ストラップに引っかけ、肌身離さず持ち運べるようになっています。
大きさはiPhone 5とほぼ同じで、手に馴染みやすいサイズ感です。
ペンを使いたいときには…
つまみを回すとペンが取り出せます。参考小売り価格は2,000円(税抜)。機能性もさることながら、手にすることで満足感を覚える、機能性とデザインを兼ね備えた逸品と言えるでしょう。
長年の悩みをついに解決!?ぜったい折れないシャープペン「デルガード」
次に紹介するのは、どれだけ力をこめても折れないシャープペン「デルガード」です。
ゼブラ株式会社が開発したこのシャープペンは、学生達の間で大人気だそう。人気の秘密は、シャープペンを使う人にとって最大の悩みである、“芯がすぐに折れる”という課題を解決したことにあります。そのすごさは、以下の動画をご覧になれば、お分かりになるはず。
芯折れ、というシャープペンの宿命的な課題を解決したのは、新たに採用された内部の構造です。
シャープペンに力が加わった際、その力を逃がす構造を説明した図が上です。垂直方向に強い力が加わったときには、軸に内蔵されているスプリングが芯を上に逃がします。また、斜めからの力が加わった際は、先端の金属部品が自動で露出し、芯を包み込み強度を補強します。この2つの機能が芯を守っているのです。
芯が出ていない状態から、4回以上ノックして書くと折れることがありますが、3回までのノックであれば、芯をしっかりとガードしてくれます。価格は450円(税抜)。あなたの仕事や勉強をはかどらせるアイテムとして、1本持っておくといいかもしれません。
THE 大人の文具!カスタマイズするボールペン「TAKUMI PURE+」
続いて紹介するのは、文具好きなら欲しくなること間違いなしのボールペン「TAKUMI PURE+」。
“大人のための文具”をテーマにしたこの商品。テレビ番組の文具通選手権の覇者、高畑正幸さんも使用しているのだそうです。
一体どこにこだわりが隠されているのでしょうか。その答えは次の写真を見てみれば、お分かりになるでしょう。
ボールペンのパーツがばらばらになった状態で販売されています。
そう、ひとつひとつのパーツを自分好みに組み合わせることができるのです。好みのペンへとカスタマイズできる、とは文具好きにはたまりません。
もう一つの特徴は、60種類のリフィル(替え芯)に対応している点です。自分が使いやすい芯を、自分好みのペンで使えるという、まさに至れり尽くせりな仕様です。愛着を持って長く使えるペンを探している人にとっては、もってこいの商品でしょう。
グラデーションも楽々描ける!マンガ家志望の学生におすすめ「ZIG クリーンカラーFB」
最後にご紹介するのは、 「ZIG クリーンカラーFB」です。
開発したのは数多くの筆記具、画材などを手がける株式会社呉竹。マンガやイラストを書く人のために作られた、軟筆タイプのカラー筆ペン(全48色)です。 1本150円(税別)と、学生にも優しい価格設定になっているのが嬉しいところ。
色のバリエーションが豊富なだけでなく、微妙な色合いを表現できるペンも用意されます。「ブレンダー」と呼ばれる無色透明のペンの使い方は…
異なる2つの色の間をブレンダーでなぞると、グラデーションが表現できます。自分のイメージに合う色がなくても、新たに作り出すことができ、表現の幅を広げてくれます。
マンガ家さんが描いたイラストを見ると、その発色の良さは一目瞭然。マンガ家志望の学生は、ぜひこれを使って練習を重ねたいところ。
ペンの刷新が、私達に技術の進歩を感じさせる
今回紹介したように、私達が普段使うペンは、日々刷新されています。
1本1本は決して高価なものではありませんが、身近にあるものだからこそ、技術の進歩を手軽に感じることができるアイテムでもあるのです。
来年はどのようなペンが登場し、私達の生活を豊かにしてくれるのでしょうか。