静岡県の技術力の高い町工場と、セメントプロデュースデザイン社がコラボし、ユニークな工芸品が作られ展示されている「つなぐデザインしずおか」に取材へ行ってきました。そこで展示されていた製品を5点ほど、製品誕生の背景やストーリー、使われている技術などを紹介しながら、イベントレポートとともに振り返ってみたいと思います。
「つなぐデザインしずおか」は、町工場の工業製品向けの技術が「デザイン」や「コンセプト」のチカラで生まれ変わることの面白さ、製品自体の美しさを伝えることを目指しています。
こちらの「オトモシッキ」は、普段使いの漆器として、「日常にそっとおともする漆器」というコンセプトで作られています。駿河漆器の漆職人の手で一つずつ丁寧に塗り上げられたそれらには、可愛さの中にも凛としたものを感じました。
このスプーンは、一枚の紙と漆からできています。口当たりがやさしく、おやつやデザートを食べるのに向いているので、おやつのオトモにピッタリです。
こちらの「おしばなし文庫」は、子供の成長を大切な記憶として、まるでお押し花のように残しておくための箱です。本のそれぞれには名前がついていて、はじめて描いた絵や、宝物などそのときどきの思い出ばなしを、この本に挟んでいくことで、いつか大きくなった子どもと話せるようにとの思いから作られています。
この「手がた足がたのはなし。」では、粘度を使って手がたや足がたを残す事で、子どもの成長を振り返ることができます。
こちらは子どもの「乳歯入れ」。抜けた乳歯を手元に残せば、成長の記録として一生の宝物になることでしょう。国内の自社工場で、一つずつ丁寧に作られたその手触りは、なでなくなるような滑らかさでした。可愛らしいデザインはきっと子どもも喜んでくれること間違いなしです。
紙産業が盛んな静岡県。続いてご紹介するアイテムには、製紙の中でも特殊なスピーカー部品にもなっている振動板が使用されています。
こちらの「静岡ぽち」は、高い精度で紙を漉く特殊技術を使って立体的に作られており、思わず手にしてみたくなるよう工夫されています。富士山、桜えび、金目鯛などおめでたい静岡名物がデザインに取り込まれているので、静岡らしくとても可愛いらしいデザインでした。特殊な技術とデザインが融合したこのぽち袋は、お年玉やお心付けを入れて渡すのにはもちろん、大切なアクセサリーやお守りを保管しておくのにもオススメです。
紙で出来ているので、色を塗ったり、中にメッセージを書き込んだりと、自分でカスタマイズを楽しむこともできます。可愛らしいデザインに加え、軽さと丈夫さも併せ持っているので、静岡に行った際のお土産や、プレゼントとしても、非常に喜ばれることでしょう。
今回イベントに参加してみて分かったことは、町工場の技術の高さ、そしてそれらとデザインがコラボすることで全く違う「モノ」が誕生し、そこから新たなストーリー、そして人と人とのつながりが生まれいくということ。
最先端の技術に触れ、今後のモノづくりの発展、ひいては地方産業の発展が楽しみになる、そんな魅力的なイベントでした。