多くの人に歩く喜びを!リハビリの現場で活躍する歩行支援ロボが凄い

多くの人に歩く喜びを!リハビリの現場で活躍する歩行支援ロボが凄い


歩く。
前に進む。

これは人間が進化して二足歩行を始めた時から、誰もが持っている根源的な欲求でしょう。
いや、欲求と言う自覚的なものではないかもしれません。呼吸をする、目を開けて見る、耳から音が聞こえる等と同等で、無自覚に私達人間のDNAに刻まれている動きと言って良いのではないでしょうか。

しかし、それが損なわれ、必死に取り戻そうとしている人たちもいます。その歩みを補助するために「Honda歩行アシスト」は開発されました。

ASIMOの歩行理論を用いた「歩行サポート」

「怪我やその他の理由で歩行困難になった人々に、もう一度歩く喜びを」という想いを込めてHondaは、「Honda歩行アシスト」という新しいロボットの開発を行ってきました。具体的に何ができるのかと言うと、名前の通り「人の歩行を楽にするための補助」です。

Honda歩行アシストは、あのASIMOで培った様々な歩行理論を元にHondaが1999年よりこつこつと地道に研究を続けてきた装着型ロボットです。人は歩行する時、振り子の様な反復の動作で前に進んでいます。Honda歩行アシストを装着すれば、歩く際に力が入る下半身のあちこちにフィットした補助が加わることで、歩行を困難にしている部分を補うことができます。

具体的な補助の仕組みを順を追って紹介すると、まずHonda歩行アシストを装着して歩くと、搭載されているセンサーが歩幅や歩数等を感知します。センサーが感知後、今度は足の振り出す力やかかとの蹴り上げる力の強さが内蔵コンピューターで計算され、モーターが動き始めるので装着した人に合った効率的な歩行の補助ができるようになるという流れです。

Honda歩行アシストは、2015年10月に生活支援ロボットの国際安全規格の認証も取得しています。その認証を取得しているのは現在世界で6~7社のみという大変狭き門なのです。

リハビリの場で心身ともにサポート


「Honda歩行アシスト」は、2013年頃から一部の病院や施設で先行使用され、現場の声を取入れつつ更に調整や細かい改良を重ねてきました。近年のリハビリ医療の躍進には目覚ましいものがありますが、やはりそれでも歩行訓練というのは単調なものになりがちで、患者の心のバランスケアも必要になっているという現状があります。

Honda歩行アシストには、このリハビリ訓練の状況を日々計測し、可視化するという機能も付いています。これによって歩行の改善状況やリハビリの効果が見える化されるので、どれくらい自分が進歩したかが患者にも伝わりやすいのでモチベーションも維持されやすいのです。

また、実際に多くの被験者がHonda歩行アシストを装着して計測し、歩く力や速度が大きく向上したと言う成果が出ています。そう、技術者達の真摯なる思いで飛躍してきた技術は、間違い無く人の心と体の健康のために使われているのである。

Honda歩行アシストは人を前進させる

Honda歩行アシストは2015年11月には、様々な病院や施設でのリース販売が予定されています。全国展開されていけば、より多くの人の歩行の道を照らす役割を果たすことでしょう。日常、苦もなく意識もせずに歩いている私たち。その無自覚な権利を味わえない人達の苦労、努力は計り知れないものです。

生きると言うことはすなわち、自分の意志の如何によらず前に進むということだとしたら。Hondaは人類の歴史を塗り替えるべく「歩行アシスト」でまさに一歩前進したのです。

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