子供の頃、誰もが経験したことがある”お絵かき”。
今、”アナログの極地”とも言えるこの遊びに、テクノロジーの力によるイノベーションが起きています。
かつては、色鉛筆やクレヨン、はたまた絵の具を使って、まっさらな紙に自分が好きなものを自由に描いていたもの。しかし今となっては、紙に絵を描くのは、時代遅れになっているのです。
今回は、「東京おもちゃショー2016」で紹介されていた、 最新お絵かきおもちゃを紹介していきます。ものづくりの力によって、私達に親しみのある”お絵かき”という遊びがどのように変貌を遂げたのか、見ていきましょう。
立体物を描き出せる!ライトでインクを固める最先端技術を搭載した「3Dドリームアーツペン」
最初に紹介するのは、株式会社メガハウスが開発した、立体物を描くことができる 「3Dドリームアーツペン」。これまでにも立体造形を可能にするペンはありましたが、子供が一からすべてを作るのは難しく、ハードルが高い商品がほとんどでした。また、インクを熱で固める形式のものが多かったので、小さな子供が1人で使うとやけどの危険があるということから、その安全性が懸念されていました。
この商品の大きな特徴として挙げられるのは、専用のライトでインクを固めるという点です。これまでの3Dペンと異なり、熱を使うことがないので、子供がやけどをする心配もありません。親が安心して、子供に1人で遊んでもらえるような工夫がされているのです。
もう一つの特徴はなぞれるシートのテンプレートを使うことができるという点です。シートにある線に沿って描き、出来上がった平面を組み合わせることによって、子供でも簡単に立派な3Dのものを作り出すことができるのです。テンプレートがたくさんあるので、絵を描くのが苦手な子供も楽しん遊ぶことができますね。
絵を描くことが得意な子供は、自分の想像力に任せてさまざまな立体芸術作品を生み出す可能性を秘めています。お絵かきの次元が平面から立体に上がることによって、子供の想像力を広げることができると言えます。
必要なのは市販のハンドソープと専用ペンだけ!泡でお絵かき「あわモコ3Dペン」
続いても立体のお絵かきができるおもちゃの紹介ですが、こちらは泡を使ってお絵かきができる、株式会社シャインの 「あわモコ3Dペン」。特徴は何といっても、市販のハンドソープを使って3Dのお絵かきができるところにあります。
使い方はいたって簡単で、専用のペンに家庭にあるハンドソープを入れるだけ。側面についているボタンを押しながら泡を出していきます。操作が非常に簡単なので、小さな子供でもすぐに遊ぶことができます。
付属の目や鼻のパーツを使えば、このようにキュートなキャラを立体で作り上げることができるのです。泡を使って描いているので、周りを汚す心配もありません。今年(2016年)7月16日に発売予定で、価格は2480円(税別)。作品を残しておきにくい反面、より気軽に3Dのお絵かきができるというのが、この商品の良いところだと言えるのではないでしょうか。
描いた絵が動き出す夢のおもちゃ!?わくわくが止まらない「おえかきアーティスト」
最後に紹介するのは、株式会社メガハウスの「おえかきアーティスト」という一品で、こちらは自分が描いた絵にさまざまな効果をつけることができる優れもの。まずは自分で好きな絵を描き、そこに色を塗ります。ここまでは、今までのおもちゃでもできることです。しかしここからがすごい!書き上がった絵をペンでなぞると….
このように、なぞった通りの動きをするアニメーションになるのです。動く方向だけでなく、スピードも調節可能。自分が描いた絵が動いている様子を見ると、まるで自分が売れっ子のマンガ家になったような気持ちになります。子供と一緒になって、大人も楽しむことができるおもちゃですね。
他にも、20枚の絵をつなげてパラパラ漫画のようなアニメーションとして再生することができる上級者向けの機能もあります。前に描いた絵の残像が見えるようになっているので、そこからずらして描くことでアニメーションを作ることができるのです。
本来止まっているはずの自分の絵が動き出すことは、言葉に表せない感動があります。価格は2万1,600円(税込)で2016年7月上旬発売予定。子供に絵を描くことの面白さを伝えるにはもってこいのおもちゃだと言えるのではないでしょうか。
「東京おもちゃショー2016」で見つけた、その他のユニークなおもちゃ達
日本各地から選りすぐりのおもちゃが集結したこのイベントでは、テクノロジーの力を上手く活用させたものや、斬新なアイディアによって生み出されたものなど、私達の心をくすぐるおもちゃで溢れていました。今回メインに紹介したお絵かき系おもちゃとは異なりますが、ユニークな発想で訪れる人の目を引いていたアイテムをさらにご紹介します。
こちらは、私達にとってお馴染みのルービックキューブを、タブレットとリンクさせたおもちゃです。海外の会社が展示していました。面が揃っていないルービックキューブをタブレットに読み込ませると、すべての面を揃えるための手順をタブレットが示してくれるのです。
小さな子供にとっては、ルービックキューブを揃えるのは至難の業。それを、タブレットの動きを真似することによって、すべての面を揃える達成感を味わうことができるようになっているのです。その上、タブレットの中の動きを真似する過程で、空間認識能力を身につけることもできるので、子供の頭の力を伸ばすことにも役立つのだそう。
インパクトのある魚のおもちゃ。これは、子供に魚の食べ方を教えるために作られた「マナー魚(マナーフィッシュ)」というおもちゃです。1匹の魚がパズルのように部位ごとに分かれていて、ガイドに従って魚を食べる順番を学ぶことができます。おもちゃを使って箸の使い方やマナーを勉強することができるというのは、非常にユニーク。このおもちゃは「日本おもちゃ大賞2016」のエデュケーショナル・トイ部門の優秀賞を受賞しています。
子供の想像力をかき立てる、最新おもちゃに注目!
今回紹介した”手作り系”おもちゃは、平面の紙の上に描くというお絵かきの常識を覆し、3Dや動きが加わることによって、子供の想像力を最大限に活かして表現することを可能にしているのです。
こうした新しいおもちゃは、テクノロジーの力もさることながら、作り手のイマジネーションによって生み出されていくもの。そしてこうした斬新な発想によって生み出されたおもちゃが、次の作り手のイマジネーションを刺激し、新たなおもちゃが作られていくのです。
私達が親しんできた遊びは、これからどのように変化していくのでしょうか。その移り変わりに今後も注目です。